人の悩みの8割、いえ、9割は人間関係が原因です。
表面的には別の問題のように感じられる悩みも、突き詰めると人間関係が原因だというケースはとても多いです。
そんなわけで、今回は‘人間関係がうまくいかない理由’をご紹介します。
かんたんなワークも作ったので、ぜひ紙とペンを準備してトライしてみてくださいね。
人間関係がうまくいかない理由
人間関係がうまくいかない理由はたったひとつ。
自分の信念を理解できていないから。
そう、ポイントは信念。
ちょっとわかりにくいですよね。
具体的に、わかりやすく説明していきますね。
信念ってどういうこと?
信念はABC理論で考えるとわかりやすいです。
ABCには、それぞれ下のような意味があります。
A: Activating event (出来事)
B: Belief (信念)
C: Consequence (感情)
A(出来事)は、
B(信念)を通してその人の中に落とし込まれ、
C(感情)が生まれる
というものです。
図にすると、こんなかんじ。
B(信念)=受けとめ方と考えるとわかりやすいですね。
ですから、A(出来事)から、C(感情)へいくことはないとも言えます。
B(信念)をすっ飛ばすことはありません。
例外として、「海で溺れて怖い」など、A(出来事)からC(感情)に直結するものもありますが、
こんなふうに本能的に身の危険を察知するケースは除いて考えます。
それでは、あなたのB(信念)がどんなものか、チェックしてみましょう。
ABC理論【かんたんワーク】
Q.上司に「お疲れ様です」と言ったが反応がない
あなたは会社員です。大手洋菓子メーカー‘不三家’で事務をしています。
12月のある日、仕事を終えて帰り際に上司に「お疲れ様です。」と言ったものの、何の反応もありません。
ここで2つ質問です。
1. なぜ上司の反応がなかったのでしょう?正解はありません。思いつくまま、なんでも書いてください。
2. あなたはどう感じますか?正解はありません。思いつくまま、なんでも書いてください。
A.あなたのB(信念)とC(感情)の傾向がわかります。
上の問題の1であなたのB(信念)の傾向がわかり、
2でC(感情)の傾向がわかります。
例として、私の回答をご紹介します。
1. なぜ上司の反応がなかったのでしょう?
→12月ってクリスマスケーキの需要があってかき入れ時なはず。しかも12月生まれの人の数って、9月生まれと並んで多かった気がする。
「この大事な時期に、先に帰るなよ!」
ってこと?
「お前もやれよ!」
ってこと?
無言の圧力ってやつ?
2. あなたはどう感じますか?
→ちょっと落ち込む
わたしの場合、1によって細かいところまで気にするということがわかり、2によって落ち込みがちということがわかります。
いくつかパターンを見てみましょう。
A(出来事) | B(信念) | C(感情) |
上司の返事がない | 嫌われている? | 落ち込む |
〃 | 無視された? | 怒り |
〃 | 考え事をしていた? | 何とも思わない |
〃 | 耳が遠くなった? | 憐み |
このように、B(信念)の受けとめ方によってC(感情)が変わります。
あなたはいかがでしたか?
出来事をコントロールすることは難しい
A(出来事)は自分の思い通りになりません。
ワークの中の上司の反応をコントロールすることなんて、誰にもできませんよね。
実際上司がどうだったのかも本人に聞いてみないとわかりませんが、いちいち聞けないですよね。
変えるなら、B(信念)。
つまりあなたの受けとめ方です。
ここを変えることでC(感情)も変わるので、少しずつ状況も変わってくるのではないでしょうか。
まとめ
いかがでしたか。
今回は‘人間関係がうまくいかない理由’をご紹介しました。
ポイントはこちらです。
・人間関係がうまくいかない理由は、自分の信念を理解できていないから。
・ABC理論が役に立つ。
・A(出来事)は、B(信念)を通してその人の中に落とし込まれ、C(感情)が生まれるというもの。
・A(出来事)はコントロールが難しい。変えるなら、B(信念)。つまり受けとめ方を変える。
ワークがまだの方は、ぜひやってみてくださいね。
実際に書き出すと、思考が整理されるのでとても良いです。
ちなみに、ABC理論はアルバート・エリスという心理学者が生み出した心理療法のこと。
ひとつでも参考になるとうれしいです。